Summer
Pictures data: Water Color or Acrylic Color
Size: 515mm*182mm
釣に熱中していると、後ろでがさがさという木の葉の音がする。
振り返って見ると、そこには何十頭もの野猿が木に鈴なりになって
じっとこちらを伺っている。どうやら野猿の通り道を私が分断してしまったらしい。
怖くなりそしらぬ振りををしてやりすごす。
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梅雨が過ぎると、盛夏の渓は蝉しぐれとともに明ける。
汗でぐっしょりになって渓を釣上がるが、くたびれた割には釣果は上がらない。
「夏アマゴ、一里一匹」とあきらめて木陰で昼寝をきめこむことにする。
早朝から渓に入ってひと釣し、日も高くなり始めた頃、
白く乾いた川原で、エメラルドグリーンに輝くミヤマカラスアゲハに出会う。
春、あれほど無数に見られたアマゴたちはいったいどこへ行ってしまったのか、
めっきり姿を見ることができなくなってしまった。
釣人に釣られてしまったのか、それとも暑さをしのいで流れの白泡の中に
隠れてしまったのか不思議に思う。
アカトンボをめがけてジャンプする大アマゴを目撃した。
その日から、まだ一度も出番の無いドラゴンフライ(トンボ毛鉤)が
確信ありげに、私のフライケースの一角を占拠している。
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