Mystery 2
amago mark
釣行のさい体験した不思議な出来事をお伝えします。



消えてしまった記録
fishing log
まだ渓には雪が残る解禁直後のこと。この日は思わしい釣果が得られず早々に帰途についた。
途中、いつもは道路沿いにあるためと夏季は芦が生い茂り釣にならないのとで見過ごして来た渓がある。 多分直感が働いたと今になって思うが、以前から気になっていた渕で、 車を降りて良く見ると渕の流れ出しに小さなライズがあるのを見つけた。
朝方からの釣に何か物足りなさを感じていたところであり再度入渓することにした。 最初はその渕の流れ出しでチビヤマメに遊んで貰っていたが、昼を
過ぎた頃突然、凄まじいカゲロウのハッチが起こり、 チビヤマメしかいないと思っていた渕や流れ込みに無数の良型のライズが始まった。 ワンキャスト・ワンヒットという状態が約一時間ほど続き、 ハッチが下火になると、その渕は何事も無かったかのようにもとの小型ヤマメだけがライズする静かな渕に戻っていた。 そして、気がつくと尺には満たないけれどかなりの良型ヤマメばかり七匹の釣果で、そのカゲロウと釣果をカメラに収めて帰途に就いた。

日は変わって、春も終わろうとする頃、安曇川に流れこむとある谷でのこと。
この谷の最上流部は石コロの瀬が続く平坦な流れであるが、 一転してその直下は滝が連続する険しい谷となる。最初の滝を苦労して上って次の滝壷での一投目でいきなり、 口に針金状のものを付けた異様な姿の尺近いアマゴをキャッチした。 それはハリガネ虫であった。邪魔な寄生虫をくわえたままさらに私の鉤にまで掛かったその貧食さと大きさに驚いてしまった。

私にとって会心の釣と言えるこの二つの釣果をカメラに収めたのは間違い無い事実だけれど、 写真もネガもいくら探してもいまだに見つからない。 長年記録しているフィッシングログからもネガ入れからも不思議な事に忽然と消えてしまった。


アングラーが漁師になった日
tackle
ゲームフィッシャーマンとしてあるまじき行為の顛末を、ここに記し懺悔したいと思います。
ある年の六月下旬のこと、お気に入りの渓に早朝から入渓した。 この日は遡行した距離にしては少ない釣果で、 早々といつもの納竿場所である取水堰のところまで来てしまった。 堰堤の下は伏流となり所々に水たまりが出来ていた。 そして、その水たまりを見て唖然としてしまった。 直径3mほどの砂礫のプールと、堰堤直下のエグレに、アマゴとイワナがその水が黒く見えるほど群れていた。 まるで養魚場のプールである。
この川の何処にこれだけの魚がいたのか、薄気味悪くなるほどの光景であった。 この事態にどう対処したら良いのか一瞬考え込んでしまったほど。 どうせこのままでは、誰かが根こそぎにしてしまうだろうから、少し位ならと自分勝手な屁理屈をつけ、 なりふり構わず水に入り二十匹ちかく手掴みにした。大きいものは27・28cmもある。しかし、何か後味の悪い後ろめたい気持ちが残ってしまった。
長年通いなれた渓で、この様な事態は始めての経験でした。


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